しなやかな罪の色合い
透き通りそうなほど白い肌だとか、すっと通った美しい鼻筋だとか、淡い紅色の柔らかなそうな唇だとか、この男を象るもの全て、神が丹精込めてつくったように完璧だ。
意思の強さを示すようにきりりとした眦とはめ込まれた赤い宝石。そこに柔く陰影をつくる密な睫毛。
それはさながら芸術品で、特に意味はなくともぼんやりと見惚れて吐息を漏らしてしまう。
「お前ってほんっと綺麗な顔してるよなぁ」
ソファに並んで座って映画を見始めて少し。俺はもう目の前の映像よりも隣の男の横顔に釘付けだ。何を言われたのか分からなかったのか、きょとんと丸められた猫の目がかわいくて仕方がない。
「なんだいきなり」
「俺さあ、昔っからワルい癖があってよく怒られてたんだよ、幼馴染に」
すべすべとした柔らかな頬を撫でる。幼馴染にいつもいつも叱られていた。叱られたところで反省もしなければ後悔もなくて、俺の所謂悪癖は全然改善されずにここまできている。
困惑を滲ませた目元を親指でなるべく優しくさすって、そこに柔くキスして、にっこり。つられるように淡い笑みを浮かべる様は幼子同然で、胸が苦しくなるくらいかわいい。
征十郎はその人間離れした硬質な美しさとは反対にとてもかわいらしい男である。そこが途方もなく愛おしくて、俺のワルいところをちくちく刺激するのだ。
もう、我慢できないくらい。
「大事なら壊すなっていっつも怒られてたんだ」
ぐっと細い顎を掴み、俺へ視線を固定させればじわじわ怯えが滲みだす。小さい声で俺の名前を呼んで、顎を掴む手にそうっと触れてくる。
その白くて長い指を見るといつもへし折ってやりたくなって仕様が無かった。
「なあ征十郎、俺さあ、お前のことすぅごく好きなの」
自分でも引くほど甘ったるい声が出ていた。悪い予感でもしたのだろう、咄嗟に引こうとしたその身をソファに押し倒す。
「お前のこと、めちゃくちゃにしたいくらい愛してるんだよ」
ゆっくりと触れ合わせた柔い唇は微かに震えていた。
rewrite:2021.12.25 | 続きます