好きがきらきら光るんです


その煌めく赤い宝石に見つめられてしまったあのとき、僕は一度死んでしまいました。彼のあの眼差しが僕の哀れな心臓を貫き、息の根を止めたのです。
それと同時に美しきその瞳が僕を蘇らせたのです。彼に殺され彼によって再びこの世に生を受けた僕は、もう彼無しではきっと生きてはいけないのでしょう、何もかもを奪われてしまった僕には彼しかないのです、生きる為にはあの人を愛し続けるしかないのです。
ああなんてひどい人、何もかもを奪っておきながら涼しい顔をして、僕の知らない人と親しげに、ああ、泣いてしまいそう。

「……赤司くん」

つい先日知った彼の名前をそうっと唇にのせる。
赤司くん、赤司くん、征十郎、くん。
ただ口にするだけでこんなにも胸が締め付けられ息が詰まるだなんて、ああ恋とは斯くも恐ろしいものなのですか。
優しくて甘いだけが恋ではないのだと僕はあなたに心を盗まれてからはじめて知りました。息も出来ない辛さを知りました。身を焦がすような苦しさを知りました。煮えたぎるような、嫉妬を知りました。
僕は汚い人間です、あなたに声を掛けられ見つめられる人はみな、死んでしまえばいいと思ってしまうような人間です。
あなたの周りにあるもの全てが憎い。何もかもを壊してしまいたくなるのです、けれどそれをしたところであなたが僕を愛してくれる保障などどこにもない、ああ、なんて、なんて悲しい。泣いてしまいます、でもあなたが涙を拭ってくれることはないのでしょう、知っています、だってあなたにはとても大切な人が、愛しい人がいるのですから。
あなたの愛を一心に受ける人。何度羨んだでしょう、あなたの隣という場所を手にしたその人を。いっそ殺してしまいたくなる。あなたが愛すことなどもう二度と出来ぬよう、切り刻んでしまいたい。
僕は汚い人間です、こんなことを考えてしまうくらい、汚い。
けれど全ては、あなたへの愛故なのです。あなたを愛するが故、なのです。
ああいつか、あなたにこの想いが届いたらどんなにいいでしょう。報われることを願いながら今日も、そうっと息を潜めてあなたの傍を通り過ぎる。

rewrite:2021.09.09