「今日の洋風、チーズハンバーグみたいだぞ」
「あ、目玉焼き乗ってる!俺これにする。これと揚げ出し豆腐」
「揚げ出し?珍しいな、そういうの好きだったか?」
「征十郎の影響で最近和食も好きになってきた」
「俺はお前の影響でいろいろ食べるようになってきたな」
「征十郎って意外と食わず嫌い多いよな」
「美味しいものしか食べたくない」
「だからいっつも俺に毒見まがいさせんの?」
「俺は和風定食にしようかな。あ、今日はぶり大根だって」
「露骨にスルーすんじゃん」
大和も食べるか?」
「食べるけどぉ」
「そういえば今週末に祖母の家でバーベキューするらしい」
「うん……」
大和に会いたがってたから一緒に行かないか?」
「え、なんで会いたがってんの。会ったこと無くない?」
「父から話を聞いたみたいで」
「孫の嫁がどんな奴か見定めてやろうって?」
「いや、すごくよく食べるみたいだけどどれくらい食べるのかしらって」
「ええ……?」
「肉とか海鮮とか色々用意するって」
「行きます」
「はい、じゃあ連れていくって言っておくよ」
「やった、なあお祖母ちゃんってどんな人?」
「乗馬とボードゲームが好きな楽しい人かな」
「……あ、征十郎に将棋と乗馬教えた人?」
「そう。祖父は家庭菜園が趣味の人」
「この前貰ったすっごい美味しい野菜?」
「うん」
「へ~~!楽しみ!」
「ふふ。はい、ぶり大根」
「ありがと。はいお返し。ハンバーグは?」
「今日は肉の気分じゃないです」
「はい」
「今朝大和がイングリッシュ・グレイハウンドを散歩してる夢みたぞ」
「ぐれいはうんど」
「猟犬だ」
「ふうん……俺も今朝犬の夢みたけどミニチュアシュナウザーだった」
「前もそれじゃなかったか?」
「うん。印象に残ってんのかな~」
「征十郎のは散歩してただけ?」
「散歩してただけだったけど、散歩してるのか散歩されてるのか分からない夢だった」
「どゆこと?」
大和のほうがふらふらあっちこっち行ってて、犬の方がリード引っ張る感じで真っ直ぐ散歩コース歩いてるんだ」
「俺が散歩されてる」
「ちょっと面白かったぞ。大和のは?」
「俺のはねぇ……俺がスパイみたいなことしてて学校に潜入してた」
「え、学校に?」
「うん。校長室的な部屋にあるなんかを取って来ないといけないっぽくて、その辺のやつ捕まえて案内させてたら捕縛されてる仲間がいて」
「そういう養成学校?」
「なのかなぁ?見た目はただのバカでかい学校だったんだけど。あ、でも仲間の奴が何人か殺してたからそういうヤバい学校なのかも」
「最近よく人が死ぬな」
「確かにそうかも」
「で、犬は?」
「出るときに連れてってた」
「出るとき?」
「なんかその学校出るときに犬連れてかなきゃいけないシステムみたいで、俺の犬がミニチュアシュナウザーだったんだよ」
「どんなシステムだそれ」
「犬がいるかいないかで敵味方判断してたのかも。出てくときは体育館横から外に出てグラウンド脇通ってったんだけど、その途中に横長の建物と森?林?があってそれを越えないと帰れないことになってて」
「うん」
「その森だか林だかの終わり近くで子連れの家族たち何人かがバーベキューしてんのよ」
「急に平和だな」
「みんな犬一匹抱っこしてて、それがないと敵とみなされてバーベキューの肉にされる」
「うわ」
「俺の犬がすごい吠えるから抱っこしてったほうがいいって言われて抱っこしたんだけど、めちゃくちゃ重かったっていう夢」
「変な夢だな」
「夢なんてだいたい変だろ」

学校にスパイとして潜入する夢

2023.04.13